10年・1万人超の現場から見えてきた!
全国通訳案内士(通訳ガイド)30の原則

Makoto Guide Knowledge Archive

10年・1万人超の現場から、30の判断軸へ。

はじめに:「魅力100シリーズ」のその先に、見えてきたもの… 

全国通訳案内士(通訳ガイド)として、私はこれまで10年間、1万人を超える海外からのゲストとともに、東京を拠点として現場に立ってきました。

人気・定番スポットに何度も足を運び、車窓から同じ景色を何度もご案内する。けれども、ともに時間を過ごすお客様も、そのリアクションも、その日の天候も、会話も、質問も、現場で起こることも、決して同じではありません。

そして10年目になった今、振り返ってみると、最初の頃とは、同じ景色から受け取るものがまったく違うことを実感します。経験を重ねることで、以前は見えていなかったものが、少しずつ見えるようになりました。そして同時に、

「結局、この仕事で本当に大切なことは何なのだろう?」

という問いも、少しずつ明確になっていきました。
 

「魅力100」と「30の原則」は、似ているようで役割が違います

これまで私は、

「全国通訳案内士(通訳ガイド)の魅力100
10年目の現場から見えてきた、この仕事の本質」

というシリーズを通して、この仕事にはどのような魅力があるのかを、100の角度から発信してきました。

日本を再発見できること。

世界中の人と出会えること。

自分の経験や知識が誰かの役に立つこと。

毎回違う人、違う季節、違う場所、違う状況の中で仕事ができること。

そして、ガイド自身も、ゲストや周囲の方々との「感謝のサークル」の中で成長していけること…

「魅力100」は、そうした全国通訳案内士という仕事の魅力や奥深さを、さまざまな角度から見つめるためのシリーズです。

では、今回の「30の原則」は何なのか。

それは、「魅力100」を30個にまとめ直したものではありません。むしろ、その先にある問いです。

「その魅力ある仕事を、本当に価値あるものにしていくために、何が大切なのか?」

知識が多ければ、それだけで良いガイドなのか。

英語が流暢なら、それだけでゲストは満足するのか。

有名な観光地をたくさん知っていれば、それで十分なのか。

経験年数が長ければ、自然と良いガイドになれるのか。

10年間の現場を振り返ると、どうやらそう単純ではありません。

現場では、知識だけでは解決できないことがあります。

天気や渋滞、集合時間の遅れなど、予定通りに進まないことがあります。

ゲストの一言から、予定していた説明を柔軟に変えることもあります。

自分では当たり前だと思っていたことが、海外から来たゲストにとっては大きな発見になることもあります。

そして、何気ない一日の中に、自分自身の成長につながるヒントが隠れていることもあります。

そうした経験を一つひとつ積み重ねる中で、

「結局、ここが大切なのではないか」

と思える考え方が、少しずつ浮かび上がってきました。

それを30に整理したものが、この

10年・1万人超の現場から見えてきた!全国通訳案内士(通訳ガイド)30の原則」

です。

 

「本質」から「原則」を理論的に導いたわけではありません

ここは、この30の原則を読むうえで、ぜひお伝えしておきたいことです。

私は、何か一つの理論や教科書から、

「全国通訳案内士(通訳ガイド)とは、こうあるべきだ」

30個の原則を導き出したわけではありません。

また、これは全国通訳案内士全員に当てはまる「唯一の正解」でも、業界の公式ルールでもありません。

むしろ、その逆です。

10年間、現場に立ち続けてきたからこそ、後から少しずつ見えてきたものです。

失敗して反省した経験。

思った以上にうまくいった経験。

ゲストからいただいた言葉。

先輩方や関係者の皆さまから学んだこと。

何度も同じ場所に立つことで気づいたこと。

自分自身の変化、日々の進化。

そして、これまで積み重ねてきた発信を振り返る中で、何度も繰り返し現れていた考え方。

そうしたものを振り返り、重ね合わせていったとき、

「結局、ここは何度も大切だと感じてきたな」

というものが残ってきました。

つまり、

「本質から原則を理論的に導出した」のではなく、
「本質を現場で10年間実践した結果、原則が見えてきた」

ということです。

もちろん、10年間の経験だけで、この仕事のすべてを語れるとは思っていません。

だからこそ、ここでは「全国通訳案内士とはこうあるべきだ」と結論づけるのではなく、私自身が10年間の現場で繰り返し考え、試し、学び直す中で残ってきた30の判断軸を、一つの実践知として共有したいと思います。

 

だから、この30は「正解」ではなく「実践知」です

この30の原則を、すべてのガイドにそのまま当てはめる必要はありません。

人によって大切にするものは違います。

ガイドする場所も違えば、ゲストも違う。

得意分野も、キャリアも、目指す理想のスタイルも違います。

だからこそ、この30を「守るべきルール」としてではなく、

「自分はどうだろう?」

と考えるきっかけとして読んでいただければと思っています。

「これは自分も大切にしている」

「これはまだできていない」

「これは自分とは少し違う」

「自分なら、こう表現する」

そんなふうに、一つひとつの原則と自分自身の現場を照らし合わせていただけたら嬉しく思います。

そして、これから全国通訳案内士を目指す方や、まだ経験の浅い方にとってだけでなく、すでに現場に立っているガイドの方にとっても、これまでの経験を振り返り、自分なりの「大切なもの」を考えるきっかけになれば嬉しく思います。

 

魅力を知ることから、価値を生み出すことへ

「魅力100」は、

「なぜ、全国通訳案内士という仕事は魅力的なのか?」

を見つめたもの。

そして、この「30の原則」は、

「その魅力ある仕事を、10年間・1万人超の現場で経験した結果、結局何が大切なのか?」

を見つめたものです。

言い換えれば、

魅力100は「この仕事の本質」を見つめる旅。

原則30は、その本質を現場で実践した先に見えてきた「仕事の原則」をまとめたもの。

私は、この二つは競合するものではなく、むしろ互いに補い合うものだと考えています。

この仕事の魅力を知る。

その魅力の本質を知る。

そして、その価値を現場でどう生み出していくのかを考える。

その先に、一人ひとりのガイドとしての成長があるのかもしれません。

 

10年間の経験を、これからの10年へ

10年間。

1万人を超えるゲストとの出会い。

数え切れないほどの現場。

そして、これまで積み重ねてきた発信。

そのすべてを振り返りながら、

「結局、何が大切だったのか?」

30の言葉にしました。

これは、10年間の私なりの答えであると同時に、

これからの10年を考えるための、新たなスタートラインでもあります。

また、30の原則は、単なる技術論やノウハウを並べたものではありません。

一つひとつの原則の背景には、実際の現場で経験した出来事や、そこから得た気づきがあります。

その言葉だけでなく、

「なぜ、私はこの原則にたどり着いたのか」

にも目を向けていただければと思います。

そして、ぜひ、あなた自身の経験や、これから立つ現場と照らし合わせながら読んでみてください。

 

10年・1万人超の現場から見えてきた、全国通訳案内士(通訳ガイド)30の原則。

ここから始まります。

30原則をつくった理由

10年間、1万人を超えるゲストをご案内してきて、私は少しずつ、「良いガイディングには、いくつもの共通する判断軸がある」と感じるようになりました。

もちろん、すべての現場に通用する一つの正解があるわけではありません。

ゲストも違えば、場所も違う。
天候も、時間も、目的も違う。

だからこそ、ガイドには、その場その場で考え、判断し、選択する力が求められます。

何を話すのか。

何をあえて話さないのか。

どのタイミングで説明するのか。

ゲストの反応をどう受け取るのか。

予定通りにいかないとき、どう切り替えるのか。

自分の経験を、どこまで、どのように伝えるのか。

そして、一つのツアーを、次の成長につなげるにはどうするのか。

こうした判断は、試験のテキストだけでは身につきません。

実際に現場に立ち、試し、失敗し、振り返り、また試す。

その繰り返しの中で、少しずつ、自分なりの判断軸ができていきます。

私自身も、最初からこれらを「原則」として持っていたわけではありません。

10年間の現場。

1万人を超えるゲストとの出会い。

先輩方から学んだこと。

受験生や新人ガイドとの関わり。

そして、日々の振り返りや、これまで積み重ねてきた発信。

それらを重ねてきた結果として、

「自分は、こういうことを大切にしてきたのだな」

と、後から見えてきたものがあります。

それを一度、言葉として整理してみようと思った。

それが、この「30の原則」をつくった一つ目の理由です。

 

経験を、そのまま流さないために

もう一つ、私自身にとって大きな理由があります。

経験は、そのままでは流れていってしまうからです。

今日の気づきも。

10年前の失敗も。

何度も歩いた街の景色も。

ゲストからいただいた何気ない一言も。

記録しなければ、やがて記憶の中に埋もれていきます。

だからこそ、

「経験を言葉にする」

「言葉を体系化する」

「体系を、次の人に渡せる形にする」

ことには意味があると考えています。

この「30の原則」は、私の10年間を一つの形に残すためのアーカイブであると同時に、これから現場に立つ方や、すでに経験を積んでいる方が、自分自身のガイディングを考えるための一つの材料でもあります。

そして、これは私自身のための記録でもあります。

言葉にすることで、自分がこれまで何を大切にしてきたのかを改めて確認できる。

今の自分に足りないものにも気づける。

そして、これから何を磨いていくのかを考えることもできる。

 

30は「完成形」ではない

だから、この30の原則を、完成した教科書にはしたくありません。

これから新しい現場に立ち、新しいゲストと出会い、新しい経験を重ねれば、きっとまた見えるものは変わっていく。

30の原則も、これからの10年の中で、さらに磨かれ、更新されていくものだと思っています。

10年間の経験を、言葉にする。

言葉を、次の世代へ渡せる形にする。

そして、その言葉を自分自身のこれからの現場にも返していく。

その循環をつくること。

それが、私にとっての「30の原則」です。

これは、10年間の終着点ではありません。

10年間の実践知を、これからの10年につなげていくためのスタート地点です。

30原則の全体像

この30の原則は、6つの章に分けています。
ただし、これは「ガイドになるための手順」を順番に並べたものではありません。むしろ、

「ガイドという仕事を、どのように捉え、どのように現場で実践し、どのように成長し、どのように未来につなげていくのか」という流れで整理しています。

 

第1章 ガイドという仕事の本質 01-05

まずは、「そもそもガイドの価値とは何なのか?」から考えます。

知識を伝えることだけが、ガイドの仕事ではありません。

日本を一緒に体験すること。
情報に意味を加えること。
自分の言葉で語ること。
そして、ガイド自身の人生や経験を価値に変えていくこと。

ガイドという仕事の「土台」となる考え方です。
 

第2章 現場力をつくる原則 06-12

次に、実際の現場で経験を積み、対応力を高めていくための原則です。

下見、振り返り、失敗、天候、交通、混雑、想定外、一期一会。

予定通りにいかないからこそ、現場には学びがあります。

「現場 → 振り返り → 改善 → 次の現場」

この循環を、どのようにつくっていくのかを考えます。

 

第3章 伝える力・英語力 13-17

全国通訳案内士にとって、英語は重要な力の一つです。

しかし、目指すのは「英語が上手い人」だけではありません。

伝わる英語。
自分の体験を乗せた言葉。
相手の目線に立った表現。
そして、話すだけでなく聞く力。

試験で身につけた英語を、実際に人とつながる力へと進化させていくための考え方です。

 

第4章 ゲストとの向き合い方 18-22

ガイディングに、「一つの正解」はありません。

同じ場所でも、ゲストが変われば、伝え方も変わります。

ゲストの反応を観察し、興味を察知し、会話を広げる。

質問を教材に変え、見えないものや予定外の出来事にも価値を見つける。

最終的には、「何を見せたか」だけではなく、「どんな時間を過ごしていただいたか」が大切になります。

 

第5章 プロフェッショナルとしての在り方 23-27

良い仕事を続けるためには、技術だけでは十分ではありません。

コンディション。
準備。
最新情報。
柔軟性。
自分自身のカラー。

そして、年齢や経験を、どのように価値へ変えていくのか。

10年、20年と現場に立ち続けるために、**「プロフェッショナルとしてどうありたいか」**を考える章です。

 

第6章 チーム・キャリア・未来 28-30

最後は、ガイドという仕事を「自分一人の仕事」だけで終わらせないための考え方です。

ゲスト、エージェント、運転士、観光施設、関係者、そして他のガイド。

さまざまな人の力がつながることで、一つのツアーという「作品」が完成します。

そして、国家資格を単なる肩書きで終わらせず、自分自身の経験や専門性を積み重ね、ブランドへ育てていく。

さらにその先には、

「合格すること」でも、
「本数を増やすこと」でもなく、
自分なりの幸せなガイド人生をつくること。

という考え方があります。


6つの章、30の原則

こうして見ると、30の原則は、

本質 → 現場 → 伝える → ゲスト → プロ → 未来

という、一つの流れになっています。

ただし、どこから読んでも構いません。

今の自分に必要だと思う章から読んでもいい。

気になる原則だけを読んでもいい。

そして、何年か後に、もう一度読み返してみる。

そのときには、同じ原則でも、きっと違った意味に見えるはずです。

なぜなら、ガイド自身が現場で経験を重ね、変化していくからです。

この30の原則もまた、読んでいただく方それぞれの経験の中で、自由に解釈し、活用していただければと思います。

それでは、ここから。

10年・1万人超の現場から見えてきた、全国通訳案内士(通訳ガイド)30の原則。

一つひとつをご紹介していきます。

全国通訳案内士(通訳ガイド)30の原則
10年・1万人超の現場から見えてきた、仕事の原則
相澤 誠  Aizawa Makoto

01. ガイドは「知識を披露する人」ではなく、「相手に価値を届ける人」である

02. ガイドの仕事は「日本を伝える」だけでなく、「日本を一緒に体験する」仕事である

03. ガイドの価値は「情報」ではなく、「情報に意味を加える力」にある

04. 「自分の言葉」で語れることが、プロフェッショナルの強みになる

05. ガイド自身の人生そのものが、ガイディングのコンテンツになる

06. 現場でしか得られない学びを、何より大切にする

07. 「自分の足で歩く」ことが、最強の下見になる

08. 一つのツアー、一つの質問を「次の成長の材料」にする

09. 失敗したツアーほど、次のブレイクスルーにつながる

10. 天候・交通・混雑など、コントロールできないものに振り回されない

11. 見せられない時こそ、「何を伝えるか」が問われる

12. 「一期一会」を、毎回の仕事の基準にする

13. 「シンプルな英語 × 自分の体験 × 相手目線」を日本紹介のコアにする

14. 完璧な英語より、「伝わる英語」を目指す

15. 「話す力」だけでなく、「聞く力」を磨く

16. 英語力は「試験の得点」から「人とつながる力」へ進化させる

17. 「量」はやがて「質」に変わる

18. ゲストによって「正解」は変わる

19. ゲストの「WOW」を見逃さない

20. 「質問」は、ガイドの最高の教材である

21. ゲストの満足度は、「何を見せたか」だけでは決まらない

22. 「おもてなし」は、相手を思う小さな行動の積み重ねである

23. 良いパフォーマンスは、まずコンディション(体調管理)から

24. 準備は「安心」を生み、安心は「余裕」を生む

25. 最新情報を取り入れ、「毎回フレッシュな風」を吹き込む

26. プロフェッショナルとは、「自分のカラーを持ちながら変化できる人」である

27. 年齢・経験・過去は、積み重ね方次第で「価値」になる

28. ガイドは「一人で働く仕事」ではなく、「みんなで一つのツアーをつくりあげる仕事」である

29. 国家資格を「肩書き」で終わらせず、「自分のブランド」に育てる

30. 「合格・デビュー」はゴールではない。自分なりの幸せなガイド人生をつくることがゴールである


※ 30の原則を俯瞰すると、そこには「本質 → 現場 → 伝える → ゲスト → プロ → 未来」という一つの流れが見えてきます。

プロフィール(関連資格など)

相澤 誠 (Aizawa Makoto)
全国通訳案内士
東京都 第EN04831号
新・イングリッシュプロジェクト 主宰
新・全国通訳案内士レボリューションJGR ファシリテーター

 
  • 全国通訳案内士 東京都登録番号  第EN04831号
  • 総合旅行業務取扱管理者(観光庁・日本旅行業協会)
  • 国内旅行業務取扱管理者(観光庁・全国旅行業協会)
  • インバウンド実務プライム主任者(全日本情報学習振興協会 認定)
  • 東京シティガイド(TCVB 東京観光財団 ゴールド 認定)
  • 国内旅程管理主任者(ツアーコンダクター)
  • 英検1級(実用英語技能検定)
  • Diploma in TESOL(ITTT 英語教授法)
  • Certificate in Teaching English to Speakers of Other Languages
  • Certificate in Teaching English Online(CTEO)
  • Certificate in Teaching Business English(CTBE)
  • Certificate in Teaching English to Young Learners(CTEYL)
  • Certificate in Teaching Practice Recognition(CTPR)
  • NLPプロフェッショナルコーチ(日本NLP協会 認定)
  • NLPマスタープラクティショナー(全米NLP協会 認定)
  • NLPプラクティショナー(全米NLP協会 認定)など

全国通訳案内士試験 必勝コーチングサービス

全国通訳案内士試験に合格しませんか?』のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。ファシリテーターの相澤 誠(あいざわ まこと)です。

私は2016年度全国通訳案内士試験に合格し、これまでに世界60か国・10,000名以上・600本以上の外国人観光客ツアーや送迎業務を担当してきました。現在は、英語学習コンサルタント・英語コーチとしても活動し、受験生の皆さまの学習をサポートしています。

新・イングリッシュプロジェクト』では、「全国通訳案内士試験 必勝コンサルティング/コーチング」を通じて、1次・2次試験対策のお悩みや課題を整理し、あなたに最適な合格ロードマップをご提案しています。一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談くださいませ☆

 

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